『易経』十翼中の繋辞伝の中に「庖犧氏初めて八卦をつくる」とあり
ますので、易の起源は伏羲氏に始まるとされています。およそ四千
年くらい前のことです。その後、神農、黄帝、文王、周公、孔子など
により『易経』は完成しました。
我が国にこの易が伝えられたのは、五世紀ころといわれています。
中臣鎌足は朝鮮からの帰化僧に易の講義を受けたといわれます。
鎌倉・室町時代の禅僧は好んで易経を研究し、足利学校では易経
の講義や、易の占筮が盛んに行われていました。
江戸期に入ると易学の研究は一層進みました。やがて、江戸から明
治になると、易占の祖である易聖・高島嘉右衛門(呑象)が実力を表
わし大久保利通、大隈重信、木戸孝允、伊藤博文らと知り合い明治
維新政府の陰の立役 者となっていきます。呑象の号は勝海舟が贈
ったといわれています。